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サブカテゴリ:光月子の飲んだり食べたり旅日記さあ、マタンサです(豚さん、ありがとう)

光月子の飲んだり食べたり旅日記


豚さん、ありがとう。今年も美味しく、胃袋がお越しをお待ちしています。

ハローウィンも無事終わり、私の数あるピアスコレクションの一つ、ハローウィンかぼちゃも来年まで眠りにつくこととなりました。
さて、もう11月ですね。もうすっかり寒くなってしまったヨーロッパ。
ドイツはもう雪も降り、ノイシュバンシュタイン城のミニバスも凍結の為運行されなくなってしまいました。今月からロマンチック街道へ行かれる方、城までは長い登り坂歩いてくださいね。

さて、11月と言えば、スペイン恒例の行事MATANZA del CERDO マタンサ・デル・セルドの時期ですね。何?それっとご質問の方、読んで字のごとく、豚を殺して締め上げるんです。豚の場合、お鶏様と違い、
キュッと首をひねれば一丁上がりってなわけにはいきません。

マタンサ・デル・セルドをする日は、もう寒くなっている朝も早から起きて、準備に余念がありません。一家総出の大切な行事なのです。
何しろ、昔は、今と違って冬場に食べるものなんてありませんから、寒い地方の人々は、オーレオといわれる高床式の倉庫に宝物の代わりにとうもろこしや雑穀、チーズ、お芋類(彼らにとっては宝物ですよね)を保管して春の訪れを待ったものです。
このマタンサで作ったソーセージやハム類だけが唯一のタンパク質。
だからこそ、マタンサ=豚のご昇天儀式は家族全員で一致団結、みんなで手分けして仕上げる大事な行事なのです。

中世ロマネスクの教会壁画に12ヶ月のカレンダーというのがありますが、ここでも11月はマタンサが描かれていますよ。
スペイン人は豚が大好き。この国はイサベル女王とフェルナンド国王がレコンキスタ(国土再征服運動)を1492年グラナダ、アルハンブラ宮殿の開城をもって終わらせてから、国中にいたユダヤ人やイスラム教徒を追っ払い、世にも恐ろしい異端審問所なるものを作り、魔女狩りに精を出した国。このあたりが原因でイサベル女王は聖女 SANTAに列聖されないらしいです。

それはおいておいて・・・
ユダヤ人もイスラム教徒も食べないもの、そうそれは豚さんです。
だから豚さんを食べるってことはキリスト教徒の誉れ。踏み絵のようにI LOVE 豚さん。 豚を食べられないなんて言えない、言っては身の破滅。異端審問所に連れて行かれ、火あぶりになっちゃう。
自衛の為か?LOVE LOVE豚さんになっていく歴史があったのです。
だからか他のヨーロッパ人より豚が好き。そして中国人も真っ青な位余すことなく豚はスペイン人の胃袋に・・・捨てるところはありません。トン足はもとより耳だってスナックとして消費しています。鼻は??? わかりません。

さぁ、マタンサです。殺した豚は各部位に分け、普通に食肉とする部分と保存食品ソーセージ、ハム作りする部分に分けます。その日のうちにソーセージ作りを始める家もあれば、次の日に作るところもあったりとまちまちですが、いずれにしても2~3日の大仕事。
途中でお御馳走タイムも欠かせません。
見学に行ったものの、具合が悪くなってしまうことも多いけど、食事には必ず顔を出しましょう。豚の死体が横にあってももう平気。
新鮮な外の空気と豚尽くし、たまりせんよぉ。げんきんなものです。
少しグロいけど、あーこれって、「我が子を喰うサトゥルヌス」の絵の前でご飯食べてたゴヤに似ているかしら?? ちょっと恐い!

EMBUTIDOSエンブティードス(詰め物)作りは大体翌日のお仕事。
日本では、ハムというと丸ぁるいボンレスハムやロースハムを頭に描きますが、スペインでは、後ろ脚の肉をハモン(ハム)、前足はパレータと言って区別しています。だから今流行りのイベリコ豚もハモンとパレータでは値段が違うんですよ。当然ハモンの方が高価です。
チョリッソ、サルチチョン、モルシージャ、ボティージョなどなど。
その家独自の味付けを施し、冬の間も美味しく頂けますね。
豚さんのお供はやっぱりどっしりとした赤ワインでしょう。
最近洗練されてきたけど、まだまだ田舎くさいZAMORAやTOROなどがぴったりですわぁー。

今日も美味しく SALUD 乾杯!!

matanza1.jpg
吊さがったハモンたち

matanza2.jpg
LEON サン・イシドロ教会 12ヶ月のカレンダー、
11月はマタンサ・デル・セルド

<中谷光月子>

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